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AECおよびBIM業界向け視覚化ツールとデジタルツイン

執筆者 Mollie Gladden

建築/エンジニアリング/建設 (AEC) およびビルディング・インフォメーション・モデリング (BIM) 業界における技術についての3部作シリーズの第1部では、司会を務めるJennifer Piperが、AECおよびBIM業界で過去数十年あまり技術の進歩が停滞気味であった理由について、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのAECおよびBIM業界担当NXプロダクト・マネージャーであるDerek Englandに話を聞きます。

次世代設計ポッドキャストのこのエピソードでは、建設業界が一人当たりの生産性向上で遅れをとっている理由について探ります。また、AEC業界で導入された最新の技術と、それによって問題の克服が期待される分野について紹介します。さらに、AEC業界でデジタルツインをどのように活用できるかについても言及します。

エピソード全文を聞く、または読むにはこちらから: メタバースとBIM CADツールをAEC/BIM業界に取り入れる

このエピソードで学べる内容は次のとおりです。

建設業界が直面している課題

建設プロジェクトは利益率が非常に低いため、プロジェクトにかかわるすべての人や活動を徹底的に連携させて調整し、予算内で効率的に進める必要があります。現状では、プロジェクトのコスト超過やスケジュール遅延につながるミスや非効率が多発しています。利用できるようになったツールや技術を採用することで、ミスや非効率を減らすことが重要です。

建設業界の最新のイノベーション

Derekは、建設プロジェクトの現場で役立つ新たな技術が続々と登場していると話します。360度カメラ、ドローン、ロボット犬はいずれも建設現場の撮影や監視に役立っています。また、仮想現実 (VR) の技術を使うと、プロジェクトにかかわるメンバーが早い段階から製品の最終完成像を視覚化しながら、設計プロセスに関与することができます。 

メタバースが建設業界にもたらす影響

話題は、最近の大きなイノベーションの一つであるメタバースについても及びます。メタバースは、これまで不可能だったあらゆる種類の視覚化を可能にします。この技術を使えば、無限の空間を探ることができます。例えば、舞台を複数の視点から見たり、直接行くことはできない世界を探検したりできます。

シーメンスのNXが成果を発揮するケース

現在の職務に就いて25年になるDerekは、お客様と話していて気付くことがあります。それは、AEC/BIM業務に、典型的なBIMツールではなくとも、シーメンスの製品が少なからず使用されていることです。橋やトンネル、鉄道を始めとする設計にNXは使用されていました。

ドイツの建設会社であるMax Böglでは、扱っている設計が複雑すぎて当初使用していたソリューションでは対応が難しく、より統合されたツールセットが必要だと感じていました。NX for Manufacturingから導入し始めた同社は、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのその他のソリューションと組み合わせることで、包括的なデジタルツインとデジタル・スレッドを構築できることを知りました。NX for Design、NX for Manufacturing、Teamcenterなどの統合製品は、建設会社向けの究極のBIMソリューションとなります。

デジタルツインと組み合わせて使えるマルチドメインの統合型ビルディング・インフォメーション・モデリング (BIM) ソリューション

AECおよびBIM業界ではしばしば、ワークフローごとに単独の個別ソリューションやソフトウェアを使用していますが、それらは相互に連携または統合しません。そのため、建物の統合や接続は効率的に進みません。Derekは、この統合を、建物に備え付けられた火災センサーや消火用の配管、ドアの開閉を感知するセンサーに例えています。これらはすべて連携しなければならないため、それぞれ構築・設計する際に使用するツールも連携しなければなりません。にもかかわらず、この問題が注目されるようになったのはここ半年あまりのことです。建物を構成する各部位が相互に連携して機能するかどうかを事前にシミュレーションしていないことが、生産性低下の原因であることにようやく気付き始めました。これを解決するのがシーメンスのNX、そしてデジタルツインです。

BIMソリューションは、下流に伝達すべき情報を含め、すべてのデータを一つの場所で管理します。また、デジタルツインはフィードバック機能を備えています。建設業界ではこれまで、各設計プロジェクトで得た教訓を活かしきれなかったため、同じミスを何度も繰り返していました。しかし、デジタルツインを使えば、建設プロジェクトで見つかった問題や修正措置は元の設計にフィードバックされるため、今後のプロジェクトで問題の再発を防止することができます。

デジタルツインはまた、リスクのないデジタル空間で実際の環境をシミュレーションできるため、さまざまな問題を未然に防ぎます。実際の環境で建設し始める前に、デジタルツインで問題とその原因、それによる影響を特定し、修正することができます。一方、デジタル・スレッドは、取得した情報をすべてのアププリケーション間に流す役割を果たします。ワークフローごとに異なるアプリケーションを使用している場合でも、デジタル・スレッドによって、全員が最新バージョンの設計データを使って作業できるようになります。

次世代設計ポッドキャストのこのエピソードでは、各ツールがどのように連携するかに焦点を当てていますが、3部作シリーズの次のエピソードでは、AECおよびBIM業務にかかわる人が設計レビューでどのように連携するのかを説明します。Derekが言うように、「プロセスのなかに、連携のあまり取れていない部位があれば、プロセス全体の連携もその程度にとどまってしまう」のです。

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