Simcenter SCADAS RSで荷重データの収集を簡素化する方法

本シリーズの各ブログ記事では、お客様から最も高く評価されているSimcenter SCADAS RS測定システムの機能の1つに焦点を当てます。そして、現在お使いのテスト設定にはないかもしれないその機能がなぜ必要なのかを説明します。
SCADASの何...ですか?Simcenter SCADAS RSは、Simcenter SCADASハードウェア製品ファミリーに新たに加わった製品です。耐久性テストやNVH (振動騒音) テストなど、さまざまなアプリケーション向けにさまざまなセンサーを取得して同期することができます。

Simcenter SCADAS RSによる柔軟なシステム・アクセス
このブログ記事では、Simcenter SCADAS RSの柔軟なシステム・アクセスについて詳しく説明します。
試験場やテストコースでテストを行い、車両の耐久性やNVH (振動騒音) テストのデータを収集する場合 (ユニバーサル・シグナル・コンディショニングに関する私の以前のブログ記事もご覧ください)、テスト中に測定機器にアクセスする必要がある時点は何度かあります。
- 準備段階では、試験場に行く直前が、すべてのセンサーが正しく機能し、正しいパラメーターで設定されているかどうかを確認する時点です。
- 測定段階では、測定を開始/停止して、すべてが正常に機能しているかどうかを確認する時点です。
- そして最後に、検証段階では、測定したデータがすべて正しく完全であることを確認する時点です。
つまり、これらの各時点に、測定ハードウェアにアクセスして操作する必要があります。
その際、市販されているシステムのほとんどは、Windowsオペレーティング・システムを搭載したPCやラップトップが必要で、そのデバイスには取得ソフトウェアがプリインストールされていなければなりません。そのソフトウェアを実行するには正しいライセンスが必要であり、PCやラップトップをLAN (またはその他の) ケーブルで測定システムに接続しなければなりません。 また、測定機器に同時にアクセスできるのは1人だけです!

それが普通ですか?
そこで朗報です。 Simcenter SCADAS RSがあれば、そのような制限はありません。
どんなデバイス、インターフェースでも、有線でも無線でも
Simcenter SCADAS RSは、独自のシステム・アーキテクチャにより、汎用性が高く柔軟なアクセスを提供します。
- つまり、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなど、あらゆるデバイスで測定システムに接続できます。

- このデバイスは、Windowsでも、Androidでも、iOSでも、任意のオペレーティング・システムで実行可能です。

- USBやLANなどの有線インターフェースでも、Wi-Fiや4G/5Gなどの無線でも、任意のインターフェースを介してハードウェアに接続できます。

- また、1人のユーザーが接続することも、複数のユーザーが並行して接続することも可能です。

つまり、試験場に行くたびに専用のデバイスを引きずっていく必要がなくなったことを意味します。 お手持ちのスマートフォンを持ってゆき、その場で取得システムにアクセスするだけです。

はい、とても簡単です!
複数のユーザーが同時にアクセスできるため、たとえば準備段階に2人のエンジニアが並行してテスト設定を行うことも可能です。1人のエンジニアはスマートフォンで機械の前面にある2つのセンサーを確認し、もう1人のエンジニアはタブレットを使用して、車両の別の場所に固定されたセンサーをチェックする、といったことも可能です。

かなり時間の節約になりますよね?
また、実際の測定段階では、テスト・エンジニアが車両の後部座席に座って前回走行時の測定データをラップトップで確認する一方で、ドライバーは、センサーの数値が事前に定義された制限を超えるたびにタブレットで通知を受け取る、といったことも可能です。

また、Simcenter SCADAS RSは無線接続なので、システムを座席の隣に物理的に置く必要もありません。 本体のハードウェアは車両のトランクに入れて、ラップトップ/タブレット/スマートフォンだけを手元に置きます。 もうケーブルに煩わされることはありません!
Simcenter SCADAS RS Recorderアプリで、容易にトラックサイド検証
「測定機器に容易にアクセスできない」という課題に加えて、「測定中のセンサーから得られる情報が限定的 (もしくは不完全) であるため、コストの高いテストの再実行が必要になる」といった課題も深刻です。
市場には、PCやラップトップがなくても、ハードウェア自体のボタンを押すだけで測定を開始/停止できるシステムが多数あります。 とても便利ですね!ところが、開始と停止の間に何が起こるかはわかりません。 そのため、ドライバーが数時間にわたって測定を行い、オフィスに戻ってデータをテスト・エンジニアに渡しても、残念ながらテストエンジニアから「信号やテスト手順に不備があり、失敗に終わった測定がいくつかあった」と言われてしまうことも少なくありません。 その場合、ドライバーは試験場に戻って、測定をやり直さなければなりません。 それはあまりに面倒でしょう?
それでは、PCやラップトップを、正しいライセンスでインストールした取得ソフトウェアに接続する、というやり方に戻すしかないのでしょうか?
いいえ! Simcenter SCADAS RSはデフォルトで、ライセンス不要のアプリがハードウェアにプリインストールされています。
このユーザーフレンドリーなアプリを使用すると、測定を完全に設定してすべてが正しく機能していることを確認し、センサーを校正して、データを測定・検証することが可能です。

準備段階では、たとえば「シングル・チャネル」ビューを使用して、設定のトラブルシューティング、ケーブル配線の確認、または必要に応じてセンサー・パラメーターの修正を行うことができます。

測定段階では、わかりやすい明確な表示を通じてデータをライブで監視できます。

測定中に監視したいチャネルだけを含む独自のダッシュボードを作成することも可能です。

組み込みのセンサーとシステム・チェックにより、各測定の直前、測定中、測定後に、信号の異常や、品質の低いテスト手順が強調表示されるため、自信を持って測定を行うことができます。

ご覧のとおり、Simcenter SCADAS RSは、専用のラップトップやPCが不要で、ケーブルを接続する必要がなく、追加の取得ソフトウェアのインストールやライセンスも要らない、すぐに使える測定システムです。有線または無線の任意のデバイスがあれば、オンボードのSCADAS RS Webアプリを使用して、自信を持ってテストを実行できます。
次回のブログでは、さらに一歩進んで、テスト・エンジニアが車両に乗らなくても済む方法を紹介します。乞うご期待!
まだ納得できませんか? 現地視察をお許しいただければ、なぜSimcenter SCADAS RSが貴社に最適な測定システムなのかをお見せできます。