クラウドを使用してコストとカーボン・フットプリントを計算

製造企業は、製品開発サイクルの短縮、コストの削減、カーボン・フットプリントの削減を迫られています。さらに、製造がますます複雑化するなか、多くの製造企業は世界中に分散するパートナーやサプライヤー、従業員と仮想環境で連携することを求められています。拠点の分散には利点もある一方、必要なときに誰もが最新の情報にアクセスできるようにすることが難しいという難点もあります。

クラウドを活用した製品コスト管理
Teamcenter® X製品コスト管理ソリューションは、製品コストやカーボン・フットプリントを計算し、収益性を解析できるハイブリッド・クラウド・ソリューションです。Teamcenter Xは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスで構成されるシーメンスのSiemens Xceleratorビジネス・プラットフォームの一部です。クライアント・アプリケーションは、ユーザー企業のローカルIT機器やデスクトップにインストールされます。アプリケーション・サーバーとデータベースは、シーメンスがクラウドにホスティングして運用します。このソリューションは、Teamcenter製品コスト管理ソリューションをベースに開発されたものであり、SaaS (Software as a Service) 環境で即座に使い始めることができます。自社でのインフラの設置や導入は必要ありません。

信頼できるクラウド・プロバイダーの重要性
デジタル・トランスフォーメーションの成功の鍵は、クラウド・プロバイダーの信頼性です。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアとAWSの包括的なコラボレーションにより、最先端のコンピューティング・サービス、ソフトウェア、サポートを提供する生産性の高いクラウドベースの環境が生まれました。AWSを基盤としたSiemens Xceleratorのオープンなデジタル・ビジネス・プラットフォームで利用可能なSaaSソリューションは、あらゆる規模の企業が、柔軟性、拡張性、アクセシビリティを高めながらデジタル・トランスフォーメーションを達成できるように後押しします。
クラウドで提供されるSaaSソリューションでは、迅速かつ強力な技術サポートが受けられます。クラウドベースの製品コスト管理ソフトウェアを使用する主な利点の1つは、ソリューションを迅速に導入できることです。従来のオンプレミス型ソリューションとは異なり、クラウドベースの製品コスト管理ソリューションは、数週間ではなく、数時間または数日間で導入して本番稼働できます。
AWSを基盤としたシーメンスのSaaSソリューションは、柔軟でスケーラブルな機能オプションと継続的な機能強化により、将来にわたってニーズに対応し続けられるビジネスを実現させます。ITスタッフへの負荷も減らすことができます。IT部門が多くの時間と工数をかけてオンプレミスの古いインフラを稼働させる必要はありません。より多くのビジネス価値を生み出す活動に集中できるようになります。各チームは、新たな可能性を追及し、将来的な目標に向かって「限界のない創造」にチャレンジできるようになります。
こうした自由度の高さから、企業は製品開発ソフトウェアのメリットを素早く実現することができます。しかもITリソースに多額の先行投資をする必要がありません。シーメンスとAWSは、事前実証済みのEdge-to-Cloudソリューションを迅速かつ確実に導入するための幅広い技術サポートを提供します。オンプレミス型のデータセンターからクラウドに移行するもう1つの大きな利点は、拡張性です。
企業や団体、特に中小規模の企業は、それぞれのニーズやビジネス環境に合わせてソリューションを拡大または縮小できます。AWSの良さは、運用コストとして支払いながら、技術リソースを必要に応じて無限に拡張しながら利用できる点です。設備投資の計画やハードウェア購入のスケジュールについて、心配する必要がなくなります。
ソリューションに必要なすべてのインフラはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアが提供・管理するため、ユーザー企業は総所有コストを削減でき、社内のIT部門がサーバーを設置したり、導入を管理したりする必要もありません。
クラウドでデータを保護
Teamcenter X製品コスト管理のデータベースは、クラウド上の安全な環境で運用され、ユーザー企業のニーズやユーザー数に合わせて拡張できるようになっています。シーメンスは、データのプライバシー、セキュリティ、保護がお客様にとっていかに重要であるかを理解しています。シーメンスのソリューションを利用すれば、データはいつでも利用可能になり、クラウドにバックアップされます。データの保護に関するシーメンスの方針、コンプライアンス、透明性、可用性、サービスについては、Siemens Trust Centerでワンストップで情報提供しています。
計算プロセスを加速して効率化
Teamcenter X製品コスト管理ソリューションを導入すれば、お客様はソフトウェアの実装と更新に時間をかける必要がなくなり、コストとカーボン・フットプリントを削減するための計算に集中できます。その結果、見積計算書の迅速な作成など、決定的な競争優位性が得られます。コスト・エンジニアは、機械のコストや、エネルギー費用、人件費といった世界各地のコスト要因など、データベースの情報更新に事前に時間を奪われることなく、いつでも最新のデータにアクセスできるため、即座にコスト計算を開始することができます。コストや炭素排出量データの検索、収集、インポートに貴重な時間を費やす必要はありません。そのため、コストと炭素排出量の計算を素早く更新できます。調達チームは、部品のポートフォリオ全体を解析し、サプライヤーの価格の妥当性をより迅速に検証できます。
持続可能性
クラウドベースの製品コスト管理ソリューションへ移行することによる重要なメリットで忘れてはならないのが、カーボン・フットプリントの削減です。 451 Researchが実施した複数の調査によると、オンプレミス型のアプリケーションをAWSへ移行すると、業務で発生するカーボン・フットプリントを80%近く減らすことができ、さらに、AWSが100%再生可能エネルギーで稼働するようになれば、カーボン・フットプリントを最大96%削減できることがわかりました。
AWSのインフラは、調査対象の米国のエンタープライズ・データセンターの中央値よりも3.6倍エネルギー効率が高く、平均的なヨーロッパのエンタープライズ・データセンターと比べると最大5倍エネルギー効率が高いという結果が出ています。
シーメンスのSaaSプラットフォームは、組織全体のコラボレーションを可能にするとともに、コストやカーボン・フットプリントの計算に必要なすべてのデータを一元化して提供します。まずは今すぐ必要な機能からこのSaaSプラットフォームを使い始め、ニーズに応じて機能やユーザーを増やしていくことができます。AWSを基盤としたTeamcenter X製品コスト管理ソリューションによって、よりデジタル化した業務環境へと進化し続けることができます。
詳細については、Teamcenter製品コスト管理のページをご覧ください。